カードゲームの運営を3年続けて気づいた3つの失敗

 こんにちは、サイとです。
『東方リキャストリフト』は2023年7月14日で3周年を迎えました。

ここまで続けてこれたのはプレイヤーが居たからです。
ありがとうございます。

今回は3周年記念記事です。
ということで、ゲーム運営における失敗談を明かします。

カードゲーム作りやコミュニティ運営に興味がある人向けの記事です。
それと、運営が何を考えてコミュニティを牽引してるのか、今いるプレイヤーにも知ってもらいたかったので筆を執りました。

しかし、失敗談を真面目に語るのはメンタルが死ぬ
ということでほーーーーんのちょっとだけフランクに書いてます。
なんか00年代のテキストサイトみたいなのは、ご容赦!

人が居ないと作るのを辞めたくなる

ここまで続けてこれたのはプレイヤーが居たからです。
ありがとうございます。

実はこれ、定型文でもお世辞でもありません。
プレイヤーが居ない期間は更新しない事もありました。

だいたいモチベ無い時は何もしてません。
ていうか普通の人は一つのゲームに何年もモチベが続きません。
「やれよ!」と思うかもしれませんが、無理です。

なぜなら趣味だから!

だから本当に今でもプレイヤーが居てくれるのはありがたいです。
我が創作の活力はこれを読んでるあなたです(突然の告白)(キモ)(死)

人類が宣伝する理由は××である

ただ、それでも人間、心はあります。
せっかくゲームを作ってもプレイヤー0だったらどうしようっていう恐怖。
これがマジで怖かったのでたくさん宣伝しました。

恐怖こそ人を強くするのです。

最初期のdiscordには約30人がjoinしてくれました。
みなさん、リアルのボドゲ系カドゲ系のイベントで出会った方々です。
義理と人情で入ってくれた人もいるし、真新しさを感じて入った人もいます。

で、今は?

最初期のプレイヤーはもう誰も遊んでおりません。

みんな、どこに行ったの……?

リアルで誘った人なら、1回は遊んでもらえます。
でも、2回目は無い。
結論から言いましょう。









『東方リキャストリフト』はスタートダッシュに失敗しました。

(ここ、そんなに溜める奴おる????? って思った人は、落ちる夢を見た時の感じを思い出してください。今の私の心拍数、それになってます)


最初期の『東方リキャストリフト』の大きな失敗はこの3つだと考えています。

  • 商業TCG仕草をした
  • Twitterへの口コミを案内しなかった
  • 賑やかなうちに誰でも参加できるイベントをしなかった

どれか1つが原因で辞めた人もいれば、総合的に見て辞めた人もいると思います。
この2つは同じようで違います。

嫌な部分があれば、その部分を直せば解決です。
しかし、続けたい気持ちが目減りしていくのは、嫌な部分が分からない。

内側にいると見えてこないので、外からの評価が必要でした。
ただ、そういうリソースが無かったため、過去の運営を振り返ることで分析しています。

それぞれの理由について私なりの見解を話しましょう。

失敗1:商業TCG仕草をした

商業TCG仕草とは、最初から全ファイターが使えない仕様だったことです。
対戦回数が増えるとdiscord上のロールがもらえて、使えるファイターが増えます。

最初は霊夢と魔理沙しか使えませんでした。
5回遊ぶとアリスが追加されて、10回遊ぶと妖夢が追加されます。

という具合で、当時最強格のレミリアを手に入れるには、なんと50回遊ばないといけませんでした。

さてここで最初に誘った30人がどんな人達だったか思い出してみてください。

最初期のdiscordには約30人がjoinしてくれました。
みなさん、リアルのボドゲ系カドゲ系のイベントで出会った方々です。
義理と人情で入ってくれた人もいるし、真新しさを感じて入った人もいます。

みんなカードゲームプレイヤーなんですよ!!!!

これが分かってない。
最初から全部のカードを使えても何も問題なかったんです。

たぶんあの30人だったらお互いの最適解をぶつけ合っていたでしょう。
ぼくのかんがえたさいきょうのかーど、みたいな遊びだって始めてたかもしれない。


商業TCGが最初から全部のカードを使えないようにするのは、「カードを売りたい」が一番の理由で、次に「低レアリティカードを初心者の窓口として機能させるため」です。

高レアカードほど使い方に難があり、テキストも膨大になりがち。
『東方リキャストリフト』もレミリアを最後にしたのはそういう理由でした。

でも、これは間違いでした。

個人制作のカードゲームに初心者は居ない!

居たらごめんなさい。
ただすいません、私目線では居るようには見えませんでした。

最初からある程度の腕がある相手向けの方針で動けば良かったんです。
どんなプレイヤーが遊んでいるのかっていう視点を欠いていました。

杓子定規に、商業でこうしてるから真似る、みたいなのはダメ!

プレイヤー人口が少ないなら、1人1人の好みやスキルを分析しましょう。
ゲームの中身は変えにくいですが、運営の仕方は変えられたと思います。

0勝1敗!

失敗2:Twitterへの口コミを案内しなかった

昨今のTwitter君はメンヘラ地雷女ばりの試し行動が多いのですが、大半のツイッタラーが許さなかったので大人しくなってまして、ナナチはかわいいですね。

中にはMiskeyやThreadに避難した人もいるでしょう。
しかし、どうですか?
結局やっぱり自分の構築した最強のタイムラインじゃないとしっくり来ないんじゃないですか?

みんなアビスに戻ってくるんです。
2020年のアビスもまた同じで、人々は野で獣を捕り、田畑を耕し、Twitterはみんなの帰ってくる場所でした。

たとえばコミックマーケットのある日は、皆さんのタイムラインもえっちな戦利品とえっちなコスプレ写真で埋まっていたでしょう?(え? 私だけですか?)

いいえ、これは偽りの記憶です。
2020年はコミケも例大祭もオリンピックもありませんでした。
人々の間で大流行していたのはコロナウイルスだったからです。

あらゆるリアルイベントが規制される中、オンラインの強みを活かせるチャンスでした。
大勢の人がおうち時間の使い道を検討しているブルーオーシャンでした。

人々はVtuberになり、VRChatのポピー横丁で飲んだくれ、TRPGのオンラインセッションをするようになり、リモートデュエルのためにマイク付きカメラを買いました(偏見)


Q.そんな中、運営は何をしてたと思います???




discordに引きこもってました。




アホか。



アホちゃうか?




アホです(筆者)



制作過程のアップとか、更新の告知とか、全部discordでやってました。
discordは大勢の人の目には触れない場所です。
だから効果なし!

宣伝は! Twitterでやれ!!!!

こんな運営なので、プレイヤーの皆さんもそれに従ってdiscordへ諸々を上げてしまいます。
先導者が舵を間違ってるので、どれだけアップしていただいても、何の成果も!!得られませんでした!になるだけだったんです。


……………………。

…………。

……。


本当に失敗しました。
しかもけっこうな人数を巻き込んでの大失敗です。


つらい。


なんというか……。
無駄な時間を使わせてしまった後悔がすごい。




その体制は今も受け継がれているところがあります、残念ですが。
更新の告知もdiscordだけだったり、使ったデッキのスクショアップ先がdiscordだったり、あまり外側に向けた導線がありません。

未だに何をTwitterにアップしたら良いのか分かんないです。
ってことで、7月16日から「今週の一枚」コーナーを開始します。
これで少しでも人が増えると嬉しいですね。

0勝2敗!

失敗3:賑やかなうちに誰でも参加できるイベントをしなかった

Twitterという外への宣伝をしなかった手痛い失敗。
discordという内での活動報告を淡々とする間違った生真面目さ。

それでもイベントは開催していたんです。
2020年7月にゲームをリリースし、2020年8月にイベントを4つ開催しました。

イベントの頻度は個人でやれる最大限ではあると思います。
一応まだ30人のプレイヤーが遊んでくれて賑やかではありました。

でも、どのイベントも人が集まりませんでした。
なぜなら、どのイベントにも参加条件があったからです。

オンライン試遊会は、初めて遊ぶ人だけが参加できる条件付き。
Twitterでロクに宣伝してないので人が来ません。

役職戦は対戦回数でロールがもらえるので、同じロール同士でないといけません。
みんなバラバラで人が分散して遊べません。

地方代表戦は都内以外の人向けに、オンラインだよ!全員集合!って触れ込みでした。
また思い出してください、集めた30人は都内のリアルイベントでの知り合いです。
来るわけがない。

限定戦は使えるファイターに縛りのある大会で、且つ対戦回数が20回以上じゃないと参加できないという、なぜか参加者にも縛りを付けるルールでした。
来ない。

そして共通して、kyashでの1円以上の入金を参加費としていたので、マジで誰一人として来ませんでした。

私が未来人として当時のdiscordに居ても、こんな大会には参加しない。

マジで。
そのレベルで参加しないし、未来永劫どの人類も参加しないでしょう。

言い過ぎ?
もう一回、青いマーカーの文章を読み返してみてくださいよ。

kyashでの1円以上の入金を参加費としていた

なんでだよ!
ていうか、マジで頭どうかしている。

大会参加するのにクレジットカード作らせるのが非常識すぎるだろ。

なんでだよ。

「なんかこいつ俺を騙そうとしてないか???」

普通はそう思いますし、私もそう思います。
なんでだよ。


すいません! ちょっとだけ弁明させてください!

運営はオンライン版を無料で出して、紙版で収益を出そうとしていました。
まあ、今もその姿勢は変わらないんですが。

ただ、お布施は別って考え方があったので、投げ銭したい人はぜひ制作費のカンパお願いします! っていう姿勢でした。

で、当時、お布施文化はまだ広まってません。
私はキズナアイや鳩羽つぐで財布と脳を破壊されているので、気づきませんでした。

カードゲームプレイヤーにお布施文化はないのです(偏見)

とはいえお布施する先がないので、それを手数料タダで送金できるkyashにしました。
で、あとはkyashがお布施先だと伝えようと思って、参加費1円でkyash入金という形にしたんですね。

ここまで全部が間違いです。

弁明もクソもあるか!
普通にヤバすぎるだろ、大会参加にクレジットカードを作らせるのは。

筆者はその辺りの常識ブレーキがぶっ壊れています。
みんなやらないことを平気でできてしまう異常者で、普段は自分のことを異常者だとは感じてません。

周りの反応を見て明らかな異常に気づくのです。
健常者エミュレーター事例集に追加しておきます。


さて。

そもそも、なぜ誰でも参加できるイベントをやらなかったのか?

それは、取らぬ狸の皮算用のせいです。
プレイヤー人数が36人になったらちょうど良い規模感の大会ができると考えてました。

つまりどういうことか?

プレイヤーが36人になるまで全員が参加できるイベントをお預けにしよう、と当時の私は企んでいたのです。


アホ。


アホすぎる。


アホアホの実を食ったアホ人間です(自己紹介)



なに色気だしてんだよ。
お前は素直に「面白い」を提供すれば良かったんだよ!

運営のしたことは、今いる30人を放って、まだ居ない6人を夢見て「今いる人が誰でも参加できる大会を開催しなかった」という慢心でした。

今、遊んでくれているプレイヤーを大事にしましょう。



そんな当たり前のことに気づくのはいつだって失ってからなんだ。



と、ジュブナイルな感想はそれくらいにしておきます。
失ってしまったものは取り返せないので、今のプレイヤーのために運営としてやれることをやるだけです。

これから運営する人へ

コミュニティを持続するのを個人の能力に頼ると学校のひとクラス程度が限界です。
でも、まずはその限界までぶち当たるように動きましょう。

私がVtuberとして配信してる小説系の雑談番組は、平均20~30人が見ていて、たまに70人が同時に見ています。
70人はさすがに捌けなくて、たぶん40人程度が個人の限界です。

人が多くなるとコミュニティではなくなります。
セミナーになるんです。

上記の失敗群は運営がセミナー的な行動をしようとした名残と言えます。
少ない人数ならばコミュニティとするべきでした。

運営は人数に見合った方針を取りましょう。
人数が少ないなら個人個人の顔が見えるような解像度で。
人数が多いなら大多数の総意が見えるような解像度で。

まあ、これから運営する方は、まず人集めからしなきゃいけなくて大変でしょうけど。
がんばってください。

何かお力になれることがあれば、TwitterのDMへどうぞ。

如何屋サイと


『東方リキャストリフト』は新規プレイヤーを歓迎しています!
よければ一緒に遊びましょう!

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