八意永琳のカード解説と立ち回り
原作では
あいにく私は、永遠に遊ぶ力は持っていないけど……。それでも、朝まで遊ぶこと位は出来るわ。
八意永琳(やごころえいりん)は月の都の創設者にして神の一柱で、『かぐや姫』に登場した使者その人です。使者として地上へ来た時、月に帰りたくない輝夜を思って他の使者を皆殺しにし、輝夜と共に幻想郷を訪れて永遠亭を作りました。
そして、永琳は天才です。月の都の使者を指揮する統率力を持つ切れ者で、時には冷酷非情な判断も下します。永遠亭に変化を拒む魔法を掛け、何百年と隠れ過ごしてきました。永夜異変の後、幻想郷は結界によって月からの追っ手が来ないことが分かり、永琳は薬師として弟子の鈴仙に人間の里へ薬を届けさせるなど幻想郷に馴染んでいきました。
原作では『東方永夜抄』の6面Aボスで、弓を構えて弾幕を仕掛けてきます。弾幕アクションには未登場のキャラクターです。
立ち回り
使いやすさ:★☆☆☆☆
永琳は永夜抄サイクルのサポートファイターです。1枚のカードに3つの能力を持ち、プレイヤーが能力を1つ選択できます。状況に応じて適切な回答を導き出しましょう。
能力自体はシンプルです。ゆえに単体ではさほど効果を得られません。それをどの順で使うかを見極めなければならないため、扱いにくいファイターだと言えます。
あらゆる薬を作る程度の能力
あらゆる局面に対応する能力の幅広さを持つ永琳という人物そのものが、どんな状況にも効く万能薬なのです。
弓張月
リキャストゾーン[Ⅰ][Ⅱ][Ⅲ]それぞれにカードが展開されているなら、いくつかの能力が強化される。
弓張月とは半月のことです。リキャストゾーンの半分を隠した時、永琳の能力は最大限に発揮されます。多くの能力は3つから1つの選択式ではなくなり、3つすべての能力を発揮できるようになります。
また、永琳はすべてのカードが通常札です。さらに、覚醒札は起動能力を持ちません。キャスト&リフトだけ、という東方リキャストリフトの基本を体現したファイターだといえます。しかし、基本が一番むずかしいのです。
千年幻想郷~History of the Moon
(通常行動で覚醒できない。ライフが0になった時、敗北する前に覚醒する)
【覚醒時】ライフを3回復する。
【覚醒中】あなたのライフが3の時、自身のライフを回復した後、このカードの上にカウンターを1つ置く。【覚醒中、あなたのメインフェイズ開始時】「天網蜘網捕蝶の法」カウンターの数以下の項目から順に効果を解決する。・3:あなたが次に行う《攻撃》のハンドへのダメージを1増加する。・2:あなたが次に行う《攻撃》のライフへのダメージを1増加する。・1:「【攻撃HIT時】あなたはゲームに勝利する」を持つ『0/0』の《攻撃》を行う。
ライフ3回復の価値
ゲームのルール上、ライフが0になった時に勝敗が決定し、ゲームが終了します。しかし、永琳は勝敗が決定する間隙に滑り込み、敗北する前にライフを回復するのです。ここまでは輝夜や妹紅の覚醒札と一緒ですが、永琳はライフを3回復します。しかし、輝夜や妹紅と違って他に効果を持ちません。
相手の攻撃を無効化する輝夜や相手の手札を落とす妹紅との違いは、回復量が3であることでダメージチェックできる枚数を2枚増やしていることです。ライフアドバンテージはハンドアドバンテージに変換されるので、これは2ドローと同等の価値と言えます。
ライフ回復の余剰を武器にする
ライフの回復には上限が決まっています。永琳も上限はありますが、上限を越えた余剰が強力な妨害能力になるのです。
一つ注意点として、余剰分カウンターを置くのではありません。回復量に関係なく置けるカウンターの数は1つだけになります。なお、乗せたカウンターは減りません。
妨害、特殊勝利
能力の発動タイミングは「自分のメインフェイズ開始時」です。行動選択に入っていないので、能力を発動した後に全力札をキャストすることもできます。
永続的に能力を発揮し続けるので、ぜひともカウンターを3つ乗せたいところです。特殊勝利への道が見えてきます。常に特殊勝利をチラつかせ、相手の行動を制限しましょう。
天丸「壺中の天地」
【攻撃HIT時】相手のリキャストゾーン[Ⅰ]と[Ⅲ]にカードがあるなら、それらのカードを入れ替える。【攻撃後、この攻撃がHITしなかった時】あなたのリキャストゾーン[Ⅰ]と[Ⅲ]にカードがあるなら、それらのカードを入れ替える。(入れ替えはリフトではなく、カードを新たに置くでもない)
永琳の基本動作
リキャストゾーンのカードを入れ替える効果自体はアドバンテージを生みません。かなりトリッキーな能力なため、強さが分かりにくいと思います。
しかし、これが永琳の基本動作です。状況に応じて最適解を最短距離で効率的に使いましょう。
妨害としての使い所
相手のリキャストゾーン[Ⅲ]にリフト不可があるなら、それを[Ⅰ]に置くことでリフトの流れを悪くできます。無論、相手はそれを受け入れないでしょう。ライフで受けず、ハンドで受けます。
ライフで受ける場面はほとんど無いカードですが、相手のRT[Ⅲ]に強力なカードが置かれている時は別です。ライフで受けた方が良い場合もあります。
支援としての使い所
相手がハンドで受けた場合、自身のリキャストゾーンを入れ替える効果が起動します。RT[Ⅲ]のカードを[Ⅰ]に置くので、そのターン中に再び使える機会が増えます。基本的に、東方リキャストリフトはRT[Ⅲ]のカードをたくさん使った方が強く立ち回れるゲームです。
また、このカード自体を[Ⅲ]に置くことで、弓張月の条件達成にも使えます。
天呪「アポロ13」
【キャスト時】弓張月-リキャストゾーン[Ⅰ][Ⅱ][Ⅲ]それぞれにカードが展開されているなら、ハンドやライフへのダメージを増減した後で、このスペルのハンドとライフへのダメージ数を入れ替える。
【攻撃後】メインフェイズを終了する。
一撃でゲームに勝利する
ハンドへのダメージを3増加すれば『6/1』となります。その上で、弓張月を達成しているなら、ダメージ数が入れ替わって『1/6』となります。一撃で勝てます。簡単に言いましたが、これを実現するのは非常に難しいです。いわゆるロマン砲。
使い所が難しい
弓張月が未達成なら『3/1』の攻撃札です。初手で撃つには充分なスペック。先攻初手で引いた時、事前準備が必要なデッキでないなら、迷わず撃って問題ないと思います。
グレイズを持つ相手には『3/1』として撃った方が良いです。グレイズが露呈し、確実に出ないと予想できる場合は弓張月を達成して『1/3』を撃つのも一考の余地があります。永琳は相手の手札を落とす能力を持つので、それと組み合わせると良いでしょう。
覚神「神代の記憶」
【キャスト時】以下の効果から1つ選んで実行する。弓張月-リキャストゾーン[Ⅰ][Ⅱ][Ⅲ]それぞれにカードが展開されているなら、以下の効果から選ぶのではなく、上から順にすべて実行する。・相手が展開中のカード1枚のリキャストタイムを1増加する。(リキャストタイムは[Ⅲ]より上にできない)・あなたの控え札から全力でないカード1枚をリキャストタイムに従って置く。・あなたが展開中のカード1枚をリフトする。
妨害or展開or加速
永琳を握った時、ゲームで最も使うカードだと想定されます。各能力はRT[Ⅱ][Ⅲ]が妥当な能力です。しかし、これ一枚で多様なデッキタイプをカバーします。
RT[Ⅲ]に置くのは悪手
デッキを回すための潤滑油として運用しましょう。弓張月を持つカードで唯一のRT[Ⅱ]を持つカードです。RTの最小と同じリキャストゾーンに置くのを意識しましょう。
蘇活「生命遊戯 ‐ライフゲーム‐」
【キャスト時】以下の効果から1つ選んで実行する。弓張月-リキャストゾーン[Ⅰ][Ⅱ][Ⅲ]それぞれにカードが展開されているなら、以下の効果から選ぶのではなく、上から順にすべて実行する。・あなたは山札があるなら1枚ドローする。・相手はライフを1回復し、手札すべてを伏せ札にする。・全プレイヤーはライフを1回復する。(ライフ上限は最大6、覚醒時は最大3)
とりあえず出しとく
選べる効果の2番目3番目はコンボ用で使い所がありません。ドロー効果のみで使っても充分な活躍をするので、コンボパーツが無いならセオリー通りに先ドローしましょう。
問答無用の全ハンデス
2番目の効果は相手の手札をすべて落とします。つまり、天呪「アポロ13」を撃つ時です。他にも相手の手札を落とさないといけない場面で活躍します。
ライフ1回復はダメージチェック分の1ドローを与えるのと同等なので、手札が1枚の相手に使ってもアドバンテージを削れません。手札が2枚以上の相手に使いましょう。
ライフ回復はコンボ前提
全プレイヤーのライフを1回復するのは遅延行為です。しかし、それが勝利へと繋がるカードがあります。ライフ回復や遅延行為が勝利へ繋がるデッキで使って下さい。
操神「オモイカネディバイス」
【キャスト時】以下の効果から1つ選んで実行する。弓張月-リキャストゾーン[Ⅰ][Ⅱ][Ⅲ]それぞれにカードが展開されているなら、以下の効果から選ぶのではなく、上から順にすべて実行する。・『先制不可、2/1』の《攻撃》か、『軽減無効、1/ー』の《攻撃》を行う。・『グレイズチェックを行わない、1/1』の《攻撃》を行う。・メインフェイズを終了する。
RT[Ⅲ]相当の《攻撃》を1つ選ぶか、一気に繰り出すか
このカードを使うには2段階の判断が必要です。1段階目は弓張月を達成させるかどうか。弓張月を達成していると、3番目の効果も実行されてメインフェイズが終了します。
弓張月を達成したなら合計打点『3/2』
しかし、メインフェイズは終了します。実質的な全力札です。
このカードを次の攻撃に繋げる一枚として見るか、フィニッシャーとして見るか。デッキや状況をよく見て判断しなければなりません。
禁薬「蓬莱の薬」
【常時】リフト不可【展開中】あなたのライフが0になった時、敗北する前にこのカードをゲーム外に置いても良い。そうしたなら、あなたのライフを3回復する。
最強の盾
このカードが最強と言える所以は、ゲーム外に置く効果が任意な点です。ライフが0になった時、他の効果を優先して使ってこのカードを使わないプレイングもできます。
初手で置くかはデッキと相談
ライフが0にならないと盤面を離れません。弓張月を多用するデッキなら入れるべきではないでしょう。キャストできるカードの枚数に制限が付きます。
ライフが0にならないと盤面を離れないことを利用して、確実に弓張月を使えるように調整しても良いでしょう。
秘術「天文密葬法」
【展開中】あなたがライフにダメージを受けた時、このカードを手札にする。(これは回収ではない)【回収時】このターンにあなたが次に行う《攻撃》のハンドへのダメージをX増加する。Xはあなたの展開中のカードの数に等しい。【回収時】このカードを控え札にする。
ハンドへのダメージを3増やす想定
永夜抄サイクルまでのカードで最もハンドへのダメージを増やせる一枚です。最大5。基本的にはそんなに増やしても何の意味もありません。
弓張月と合わせて、ハンドへのダメージを3増加するのが理想的な使い方です。設置札は控え札に落ちてしまうので、使い所に気をつけましょう。