八雲紫の特徴とカード解説

原作では

「幻想郷は全てを受け入れるのよ。それはそれは残酷な話ですわ」

 八雲紫(やくもゆかり)は神出鬼没の謎多き妖怪です。幻想郷を包む博麗大結界の提案者の一人で、その創造にも関わっているとされます。本人は幻想郷のどこかに住み、幻想郷を過保護なくらいに見守るキャラクターです。

 境界を操る能力を持ち、空間の境界を操って離れた場所を繋いだり、夢と現実の境界に穴を開けて夢に入り込んだりできます。その能力から外の世界との関わりが強く、道路標識や電車などを持ち出した攻撃が特徴的です。

 胡散臭い人物で、心が読めないために幻想郷の住人から避けられています。しかし、幻想郷への愛は本物です。

立ち回り

使いやすさ:★★☆☆☆

 八雲紫は妨害とリフトの遅延を得意とするトリッキーなファイターです。強力なハンデスで相手の守りにスキマを作り、そこへ致命的な連続攻撃を叩き込みます。また、ゲーム外への追放という形で、デッキ破壊を行える唯一のファイターです。

 ゆるい条件で様々な行動が出来る代わりに、それを意味のある行動にするにはある程度のプレイングスキルを要します。

境界を操る程度の能力

 八雲紫は相手と自分の境界を曖昧にします。つまり、相手のリキャストゾーンにカードを展開する能力です。相手のリキャストゾーンを埋めれば、相手は一ターンにキャストできる数が減ります。

 ゆえに得意な動きは相手のキャスト妨害です。相手のリキャストゾーンを圧迫しつつ、リキャストタイムの増加によって迂闊にリキャストゾーンの[Ⅲ]に展開しづらくします。展開によって得られるリソースを枯渇させ、相手に動かざるを得ない状態を作らせ、動いた相手の攻撃を捕らえてゲーム外に追放します。

境界
相手のリキャストゾーンに展開する。

 八雲紫の能力は常時能力です。達成条件はありません。

ネクロファンタジア

【覚醒時】先制のタイミングでのみ覚醒できる。先制した全力でない《攻撃》を打ち消す。その《攻撃》が攻撃札によるものならば、その攻撃札をこのカードの下に置く。(ゲーム中に戻ることはない)
【覚醒中】「八雲の糸」通常行動で起動できる。あなたは手札1枚を伏せ札にする。そうしたなら相手が展開中のカード1枚のリキャストタイムを1増加する。

攻撃札を追放する唯一無二の能力

 リキャストリフトの基本は攻撃札。これを永続的に封じる。仮にそれがグレイズ札であれば、相手は二度とグレイズできなくなるのだ。

 カードの追放は本ゲームにおいて文句なく最強の妨害だ。

攻撃札による《攻撃》でしか追放できない

 《攻撃》の発生源がテキストだとダメ。設置札や誘発札、覚醒札からの《攻撃》は打ち消し止まりだ。それでも充分強いが。

 また、キャスト時に《攻撃》を行うような攻撃札は止めようがない。なお、キャスト時に《攻撃》を行えるのは今の所レミリアのみ(バージョン109現在)。

 攻撃後や攻撃HIT時に《攻撃》を行うようなテキストの攻撃札に対しては、攻撃札そのものによる《攻撃》に対して先制すれば良い。

RT増加できる対象は動かせるカードだけ

 リキャストタイムを増加できる対象は動かせるカードだけだ。
 リキャストゾーン[Ⅲ]が埋まっている状態でリキャストゾーン[Ⅱ]にあるカードのリキャストタイムを増加することはできない。

罔両「禅寺に棲む妖蝶」

通常・攻撃・1/1・23
【キャスト時】相手のリキャストゾーンに境界を持つ紫のカードがあれば、このスペルのハンドへのダメージを1増加する。
【攻撃HIT時】さらに現在の攻撃力で《攻撃》を行う。この【攻撃HIT時】能力はこのスペルによる攻撃がHITし続ける限り繰り返す。

現在の攻撃力って?

 普通に使えば1/1の《攻撃》を再び行うだけだが、相手のリキャストゾーンに境界を持つ紫のカードがあれば、ハンドへのダメージが1増加する。

 これは他のカードでバフした場合でも問題ない。例えば、神技「八方鬼縛陣」(霊夢)や霊符「无寿の夢」(幽々子)などでハンドへのダメージを底上げすれば、3/1や4/1で再び《攻撃》できる。

 相手の手札が少ない時に攻撃を連続で打ち込もう。

軽減に弱い

 軽減とは、実際は攻撃力の減少である。攻撃を受ける時に軽減の分だけ手札の枚数が多いものとして扱うという感じではなく、そのまま攻撃力を操作する。なので、罔両「禅寺に棲む妖蝶」は、ハンドへのダメージを軽減する能力を先制されると途端に弱体化する。

 断命剣「冥想斬」(妖夢)や霊符「无寿の夢」(幽々子)は軽減無効を付与できるので、相性が良いカードだ。最も相性が良いカードは、ライフ2以下限定になるが、ハンドへのダメージを増加しつつ軽減無効を付与する神技「八方鬼縛陣」(霊夢)だろう。

幻巣「飛光虫ネスト」

通常・攻撃・2/1・123(境界)
【常時】境界-相手のリキャストゾーンに展開する。
【キャスト時】相手が展開中のカード1枚のリキャストタイムを1増加する。
【常時】このカードがリキャストゾーンを離れる時、持ち主の控え札にする。

ピンポイントでリキャストタイムを増加させる

 リキャストタイムを1減らすことを「リフト」と呼ぶ。つまり、その逆だ。【キャスト時】能力はピンポイントで、相手の展開中のカードを遅延させる。

 なお、リキャストタイムが[Ⅲ]を越えたカードは控え札になる。魔眼「ラプラスの魔」と組み合わせれば、相手の手札をすべて伏せ札にしてから攻撃できるぞ。

境界はデメリットでもある

 そうした強力な能力を持ちながら、このカードは境界を持つせいで連続してキャストできない。デメリットを最も小さくしたいなら相手のリキャストゾーン[Ⅰ]に展開しよう。

 相手の展開を妨害したり、罔両「禅寺に棲む妖蝶」のバフの起点にする使い方もある。

廃線「ぶらり廃駅下車の旅」

全力・攻撃・3/1・3
【常時】軽減無効
【攻撃HIT時】さらに『軽減無効、3/1』の《全力攻撃》を行う。その後、相手が展開中のカードすべてのリキャストタイムを1増加する。この【攻撃HIT時】能力はこのスペルによる攻撃がHITし続ける限り繰り返す。

3-相手のハンドが打点

 軽減無効が付いているので、軽減された場合の計算は不要だ。3-相手のハンドが実際の打点となる。つまり、相手のハンドが1枚なら、このカードのライフへのダメージは2となる。

リキャストタイム増加を使いこなせ

 最大3ダメージを与えることができるが、これだけでは罔両「禅寺に棲む妖蝶」の下位互換だ。【攻撃HIT時】能力で相手の展開中のカードすべてのリキャストタイムを1増加するので、連続HITすれば相手の展開中のカードをどんどん控え札にできる。

 もしここに【回収時】以外でリキャストゾーンを離れた時に手札すべてを伏せ札にさせる魔眼「ラプラスの魔」があったらどうだろうか。最大打点は6点となる。ロマン砲だが、決まれば一発でゲームが終了する強力なコンボだ。

空餌「中毒性のあるエサ」

通常・行動・23
【キャスト時】相手が展開中のカードすべてのリキャストタイムを1増加する。
(リキャストタイムが[Ⅲ]より増えたなら控え札にする)

キャストを遅らせる

 リキャストタイムを1増加するのはパッと見の強さがあまり分からない。だが、本ゲームにおけるリキャストゾーンは第二の山札である。次のターン引けるはずだったカードが引けなくなるのだ。これは相手のキャストを遅延させる。

リフレッシュを強要する

 空餌「中毒性のあるエサ」は、相手にリキャストゾーン[Ⅲ]への展開をしづらくする。もっと言えば、リフレッシュボーナスのリフトを得るために山札の再構成を行わせる。それの何が意味を持つかというと連続攻撃でグレイズ札が出にくくさせる。

 これもパッと見の強さが分からない。しかし、紫の勝ち筋は相手の隙を突いて連続攻撃を叩き込むことなのだから、その下準備として相手の山札の枚数を増やしておかなければならないのだ。

 このカードが紫の使いづらさを一番表していると思う。ただ使っても効果がない。これが使いこなせるようになれば初心者卒業だ。

境符「四重結界」

先制・行動・3
【キャスト時】先制した《攻撃》のハンドへのダメージを2軽減する。
【キャスト時】このターンに相手が次に行う《攻撃》のハンドへのダメージを2軽減する。

1枚で夢符「二重結界」2枚分の効果

 相手の《攻撃》に対して1枚の先制札を切ることは1:1交換で、決して先制だけで相手の《攻撃》すべてを躱すことはできない。しかし、境符「四重結界」は1枚で2度の《攻撃》を軽減するので、ハンドアドバンテージを取れる。

使いどころは連続攻撃の後

 何度も述べている通り、紫の勝ち筋は連続攻撃だ。しかし、連続攻撃で仕留めきれない場合がある。そういう時、相手の手札が多く、返し手で逆にピンチになってしまう。そういう時に境符「四重結界」は活躍する。

 手札にあるからといって軽率に先制していると肝心な時に使えなくなる。しかし、敢えて展開しておいて、連続攻撃に合わせて手札に回収するのも手だ。空撃ちも戦略。

結界「魅力的な四重結界」

通常・誘発・123(境界)
【常時】境界-相手のリキャストゾーンに展開する。
【常時】このカードがリキャストゾーンを離れる時、持ち主の控え札にする。
【展開中】このスペルを展開中のプレイヤーが《攻撃》する時、割り込んで処理する。その《攻撃》のハンドへのダメージを1軽減するか、自身のライフを1減らす。

実質ハンドを2枚伏せ札にする

 相手のリキャストゾーン[Ⅲ]に展開すると、リフトステップと手札2枚で何とか回収できる。リキャストタイムの1増加もそうだが、基本的にどのカードも2枚分のアドバンテージを失わせる程度の能力を持つ。

連続攻撃へのメタ

 紫以外にも連続攻撃を得意とするファイターがいる。アリス、妖夢、幽々子だ。1枚で何度も《攻撃》を行うようなカードは、この1枚が強力なメタカードになっている。6回攻撃すればライフが0にされるからだ。

軽減無効へのメタ

 これを展開中のプレイヤーが軽減無効を持つ《攻撃》を行った場合、ハンドへのダメージを1軽減が無効化されてしまうため、ライフを1減らすしかありません。

魔眼「ラプラスの魔」

通常・誘発・123(境界)
【常時】境界-相手のリキャストゾーンに展開する。
【キャスト時】メインフェイズを終了する。
【常時】このカードが回収時以外でリキャストゾーンを離れる時、このカードを展開中のプレイヤーは手札すべてを伏せ札にする。このカードを持ち主の控え札にする。
【常時】このカードがリキャストゾーンを離れる時、持ち主の控え札にする。

コンボ前提のカード

 展開中のカードを控え札する能力やリキャストタイムの増加と併せて使わないと効果を発揮できない。しかし、発揮できれば問答無用で相手を丸裸にする。

 連続攻撃を得意とするタイプのファイターは、展開中のカードを操作する能力を持っている場合が多い。そういう相手と構築する時、コンボを考慮するのも良いだろう。

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