バージョン105更新情報とバージョン104のカード使用率
こんにちは、サイとです。
バージョン105を更新しました。
バージョン105の要点
- プレイマットが新しくなった
- 省略していた【キャスト時】が記述された
- 新ファイターが追加された
- 一部誤りのあったテキストが修正された
- テキスト効果の変更、能力の変更は無い
- イラストの追加は無い
プレイマットが新しくなった
プレイマットを新しくしました。
今回はビジュアル的な変更だけでなく、使いやすさの改善を図りました。
今までちょっと手間だった先攻後攻を決めるシャッフルが、ダブルクリックで出来るようになっています。ダブルクリックするとなぜかダイスの効果音が鳴りますが、それはご愛嬌。今後はスマートに手番を決めましょう。
ファイター選択エリアの初期位置を変更しました。山札をめくった時、未使用カードとデッキのカードが混ざりそうになるので、プレイマットの右手側に距離を取って配置しています。
そういえばファイターの並び順は特に決めていません。ファイターの数が増えてきたら、初登場作品別に並べ替えした方が良いのでしょうか。それともあいうえお順? 何か良い案があればDiscordの目安箱にコメントお願いします。
省略していた【キャスト時】が記述された
事前にアナウンスしていた通り、一部カードのテキスト記述を変更しました。今まで行動札では記述を省略していた【キャスト時】を、すべてのカードに適用しています。
これにより改行が分かりづらかった部分が解消されます。裁定関係の変更は今の所ありません。プレイングに影響は出ませんが、記述が長いのでユドナリウム上でテキストを確認する時はマウスホイールを回しすぎて指を攣らないように気をつけてください。
新ファイターが追加された
こちらも事前アナウンス通り、パチュリー・ノーレッジを追加しました。パチュリーの使い方については後ほど記事を更新します。
カードデザインはアインスさんに依頼しました。
アインスさんは他にもレミリアを作っていただいています。
カード紹介
水&木符「ウォーターエルフ」通常・行動・23【キャスト時】あなたは2枚ドローする。その後、手札1枚を山札の底に置く。【展開時】詠唱-リキャストゾーン[Ⅲ]に展開したなら、あなたは再構成する。その後、あなたが展開中のカードすべてをリフトする。【回収時】このカードを控え札にする。
パチュリーは詠唱という能力を持ちます。
テキストが指定するリキャストゾーンに展開することで条件を達成し、追加効果を得ます。リキャストゾーンの空きがあればどこにでも展開できるというルールに切り込みを入れた能力です。
【展開時】の裁定が新たに設定されます。
展開とはキャストゾーンからリキャストゾーンにカードを移動することを指します。
たとえば、レミリアはカードをリキャストゾーンに置く能力を持っていますが、キャストしていないカードをリキャストゾーンに置く能力は、展開ではありません。置くだけです。【展開時】能力は発生しません。
カードテキストで「置く」と「展開する」の表記ゆれがあったので、バージョン105ではすべて「置く」に統一しました。なお、アリスの人形は【常時】能力なので、この裁定による影響は受けません。
収録カードについて
パチュリーは攻撃札2枚、行動札2枚、誘発札2枚、設置札1枚を持ちます。
グレイズ札も全力札も持たないファイターです。
詠唱の能力を使いこなすには、全力札は要らないという判断をしました。
リキャストタイム23のカードが多く、中量級のスピードを持つファイターです。ただ、詠唱の能力を使おうとすると鈍重なファイターとなります。詠唱をどのタイミングで使うか見極めましょう。
覚醒札は明らかに強いです。今まで覚醒札が切り札級の強さを持つファイターがいなかったので、採用してみました。初めてパチュリーを使う人は覚醒札頼りのワンパターン戦法になると思います。それが通用するかその目で確かめましょう。
一部誤りがあったテキストを修正した
バージョン104の更新で、エリア名の変更をしました。現在「控え札」と呼ばれる場所は捨て札と呼ばれていました。変更理由は「伏せ札」と「捨て札」の名称が似ており、音声チャットだと区別しづらかったからです。
その名称がそのまま残っているカードが何枚かあったので修正しました。
バージョン102更新で、カードイラストの変更をしました。現在テキストはカード画像に記述されていません。バージョン101までテキストがカード画像にも記述されており、その記述とユドナリウム上でのテキストに間違いがあったものには(カード画像とテキストが違います)という注意書きがありました。
これが一部の覚醒札に残っていたので修正しました。
今回の更新で【展開時】の裁定が新しく設定されました。これにより、アリスの覚醒札のみカードを山札から展開するという記述になっていたのを修正しました。表記ゆれです。運営はキャストしたカードをリキャストゾーンに移動することを「展開する」だと認識していたので、本当に表記ゆれです。
また、今回の更新で【キャスト時】のテキストを省略せず記述することになりました。これにより、箇条書きの記述ルールが増えたことになります。カード能力により他のカードのテキストを変更・追加するものについて、箇条書きを使うことにしました。
該当するカードは、冷符「瞬間冷凍ビーム」、空観剣「六根清浄斬」です。テキスト中の「以下のテキストを追加する」「以下のテキストに変化する」の「以下の」が示すのは箇条書きの部分になります。
運営はカードデザインを委託し、日々カードテキストの調整をしています。その経験から思うのは、こうやってカードゲームのテキストは複雑になっていくのだという実感です。いきなり紙版を頒布するんじゃなくて、デジタルで遊べるようにしておいて良かったと感じます。カード使いの皆様、いつも遊んでくれてありがとうございます。
テキスト効果の変更、能力の変更は無い
今回は変更なしです。思った以上に問題が見つからなかった環境でした。詳細はカード使用率のリストより下に書きました。興味がある方はぜひご覧ください。
イラストの追加は無い
追加はありません。しかし、紅符「不夜城レッド」のイラストがバージョン104だけ、バージョン102のものに差し替えてある間違いがあったので、そちらは修正しています。
追加イラストは今の所、七三ゆき様のイラストを利用しています。
もし「自分もリキャストリフトのアートワークを担当してみたい!」という方がいましたら、気軽にご連絡ください。
連絡先はDiscordでいつでもお待ちしております。
カードの配布場所について
カードの配布場所はDiscordのカード配布チャンネルです。
Google DriveからZIPファイルをダウンロードしてください。
カード使用率リスト
1番使われたのは凍符「マイナスK」と冷符「瞬間冷凍ビーム」
どちらも良いカードです。
凍符「マイナスK」は優秀なドローソースです。単に1枚引くだけですが、デッキの圧縮になります。
また、カードを1枚氷結できます。ただ、使用したデッキを見る限り、凍符「マイナスK」の氷結能力を活かした戦いは、氷塊「グレートクラッシャー」に繋げるための布石です。
どのデッキにも入っているカードですので、凍符「マイナスK」の入ったデッキの勝率は55%に留まりました。
冷符「瞬間冷凍ビーム」は優秀な攻撃軽減カードです。リキャストタイム123でハンドへのダメージを2軽減します。強さの代償は、元々持つ攻撃力の攻撃にしか先制できない制限ですが、微々たるものです。コスパが良い。
また、先制した攻撃札を氷結します。これも氷塊「グレートクラッシャー」に繋げるための布石です。リキャストタイムが重いカードに先制し、リキャストゾーンに氷結したカードを増やしていきます。
こちらもどのデッキにも入っているカードで、勝率は55%に留まりました。
要約
・行動札の使用率が高い
・チルノの使用率が高い
・咲夜の使用率が上がった(チルノコンビの影響)
・アリスの使用率が沈静化した
・幽々子の使用率が下がった
行動札の使用率が高いことについて
どのデッキにも使えるカードの使用率が高いですね。ただ、リキャストリフトはそのカードを引けたかどうかで、アドバンテージが生まれることはありません。そもそもすべて1枚差しですから、これはデッキ構築レベルの話なのです。
カードゲームに造詣の深い人はどのデッキにも入るサポートカードはゲームバランスを壊すと感じると思います。ですが、リキャストリフトの行動札は必ずしもサポートカードではありません。
運営は行動札を最速のカードタイプだと考えています。最初から先制不可を持っているという印象です。事実、チルノは行動札を最も多く持つファイターで、その機動力を象徴しています(非想天則のチルノは素早い)。咲夜も似たようなイメージです。
一方で攻撃札より後に出し、守りへの体勢を整えるものもあります。中には更に追撃するカードもありますね。幽々子は行動札を追撃として使うタイプのファイターです(非想天則の幽々子は制圧力がすごい)。追撃なのですから、攻撃札から連続していないといけないので、先制できない行動札にする必要がありました。
このように行動札への意味付けがサポートカードとは趣が違います。
しかし、行動札は単体で見た時、実際に勝率が高いです。ダメージ軽減、ドロー、ライフバーン、バウンスなど多彩な能力を持ちます。何でも出来る子です。
今後のデッキ構築では、行動札の有無が勝率に大きく関わってくるでしょう。
新ファイター「チルノ」について
バージョン104の更新からチルノが登場したこともあり、チルノの使用率がダントツの1位となっています。ただ、チルノの勝率は高くありませんでした。
前回は使用率の低かった咲夜がチルノとタッグを組むことで使用率が上がりました。勝率は最も高い数値を出しており、チルノと咲夜が組んだライフバーンデッキが現環境トップです。
前回の環境で、ライフバーンは紫の魔眼「ラプラスの魔」が猛威を振るいました。今回もライフバーンが強い立ち位置にいますが、それでも勝率は非常に高いわけではありません。
氷塊「グレートクラッシャー」は適正な制限だったと感じました。今後もテキスト効果によってライフを減らす能力は強い制限を掛けていきます。
氷符「フェアリースピン」がほとんど使われなかった背景には、チルノと組むファイターがグレイズを持っているファイターばかりだったことに起因します。チルノと組んだ回数が多いファイターは、咲夜、魔理沙がツートップです。咲夜も魔理沙もグレイズを持つので、そちらが採用されています。
総評としてチルノは良いバランスのファイターでした。また、使用率が低いファイターの使用率が上がる環境の変化が見られたのは僥倖と言えます。今後の更新は使用率を見ながら誰を投入するか決めていくことにしましょう。
「ハンドで受ける」の裁定変更について
バージョン104では「ハンドで受ける」の裁定が、受けた側が選んで伏せるルールから、攻撃した側がランダムに選んで伏せるルールへの変更となりました。このルールの変更はゲームスピードの短縮を目的としています。
結論から言いましょう。ゲームスピードの短縮は達成できました。今までユドナリウム上での1ゲームは40分前後でしたが、裁定変更後の1ゲームは30分前後になり、結果として10分程の短縮となりました。ゲーム中、最も時間が掛かるのがデッキ構築なので、今後メスを入れるとするなら構築の時間制限になると思います。
雑談:妖夢がヤバい
ゲームスピードの短縮だけでなく、『1/ー』の攻撃が非常に強力なものとなり、バージョン104段階の妖夢の勝率は8割を記録しています。はっきり言って一番強いです。
ただ、我々ゲームデザイナーは意地悪なので強いファイターには相応の欠点を持たせています。それでも一番強くなったのはなぜでしょうか?
それは妖夢が一番強くなった背景には、チルノや咲夜がたくさん使われるような環境ではさほど欠点が欠点にならなかったせいです。
妖夢はリキャストゾーンがすぐ埋まって身動きが取れない弱点があり、防御に強い霊夢や紫、デッキプランを破壊してくる魔理沙、引き勝負になる妖夢ミラーマッチなど、負けやすい相手が多くいます。
しかし、チルノと咲夜は戦略上、リキャストゾーンのカードを手札や控え札に送るため、妖夢が動きやすい状態を作ってしまうのです。つまり、環境的にダークホース的な強さを発揮したことになります。
カード使用率と交流会の相関について
1~3月は交流会を多く開催しています。その関係から、カード使用率は大会よりも交流会による通常マッチによるデータが色濃く反映されました。それに相関はあるのでしょうか?
調べてみたところ、どうやらあるようです。リキャストリフトはデータ数が少ないので何とも言えないので、他ゲームの話を名前を伏せつつ引っ張ってきますと、ランクマッチで対戦が回っているゲームと交流会で回っているゲームとでは、使われるデッキに大きな差があります。勝てなくても良いプレイヤーが交流会には多くいるということです。
さて、リキャストリフトのカード使用率ですが、大会中心で回していた2020年8月~12月(A期)と交流会中心で回していた2021年1月~3月(B期)を比較してみます。
比較ポイントは使用率の偏りです。A期の最大使用率が65%で、B期の最大使用率が30%でした。A期で最も使われたのは霊夢です。ほぼ全員が霊夢を使いました。A期で2番めに使われたのが魔理沙で、使用率が50%です。最初に使えるファイターだったこと、まだ環境が出来てなかったことが理由に考えられます。
なるほど、たしかに大会中心で回していた時期の方が偏りが激しくなりました。交流会を開くことで、より多くのファイターが使われるようです。今後も交流会を頻繁に開きます。ただし、ある程度の偏りはゲームバランスを調整する上で必要なので、定期的に大会も開きながら様子を見たいです。
カード更新について
今回のカード使用率からカード更新はありません。
環境が安定しているというよりも、まだ爆弾が発見されていないだけだと思います。
もっとたくさん遊んでいただき、とんでもない爆弾が発見されるのを楽しみにしています。
もちろんテストプレイを行っていますので、そうそう爆弾が見つかるとは思っていませんが。
今後について
リキャストリフト運営はユーザの対戦データを集計し、東方projectのファンが楽しめるゲーム環境にするため、必要に応じてカード能力を変更します。
引き続きDiscordのスクショ投稿部屋へスクショ投稿をよろしくお願いします。
また、改善要望やリクエストをお待ちしています。Discordの専用チャンネルにてメッセージの投稿をよろしくお願いします。
来月の更新予定日は2021年4月30日です。変更がある場合は事前にお知らせします。その日付以外でも運営が緊急と認めた場合には、カード能力の変更などをすることによってゲーム環境を迅速に適正化します。
今後とも『リキャストリフト』をよろしくお願いします。